STEP1.春の訪れ
春のそよ風が心地よく頬をなでる。
ここ、流牙咲女子高等学校は今日始業式だ。
いつものように徒歩で登校してきた彼女は、
星守 悠希(ほしもり ゆうき)。
いつも静かで控えめな彼女は高校生活1年目も目立たず、図書室でひとり本を読んでいた。
髪はロングで前髪は目にかかっている。
メガネをかけないと文字も見えない。
そんな彼女はいつも図書室から見える桜の木を見上げた。
「…きれいだなぁ。私も桜みたいに自分を変えられたらなぁ。…なんてむりだよね。」
そんな弱音をはいた瞬間、強めな風が吹いた。
「…今年もよろしくね。」
彼女は桜にそう言うと足早に教室へと向かっていった。
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