STEP7.イメチェン
「悠希、帰るよ。」
放課後。
琉唯が悠希に呼びかける。
「ほ、本当に琉唯ちゃんちに行くの?」
「もちろん。私が悠希をイメチェンさせる。」
悠希はびっくりする。
「い、イメチェン?私聞いてないよ…?」
「うん、言ってないからね。」
ぽかーんと口を開いて何も言えない悠希。
「さ、行くよ。」
ぐいっと悠希の腕を引っ張って、琉唯は自分の家に向かっていった。
✤✤✤
「着いた。」
洋風な新築の家で、かなり大きい。
「…琉唯ちゃんはどうしてここに来たの?」
「親の再婚。」
なるほど。と悠希は思った。
「さ、入って。」
「お、お邪魔します。」
綺麗なリビングに案内された…
と思ったのだが、
「こっち。」
と案内されたのは、
「…美容室?」
そう、美容室だった。
「私の家が経営してる美容室。」
琉唯の転校の理由を詳しく説明すると、今の両親が再婚し、美容室を開こうと引っ越してきたからなのだ。
「はい、悠希座って。」
「…え?」
「早くー」
琉唯はがちゃがちゃと色々準備し始めた。
悠希は言われるまま座った。
琉唯は手際よく悠希の首にタオル、ビニールとかけていく。
「じゃあ切るね〜」
「…ちょ、ちょっと待って!髪、切るの!?」
「うん。悠希は肩につかないくらいのアシメが似合うから。」
そんなことを言われたこともなかった悠希は驚いた。
「…大丈夫だよね?」
「まかせて。」
「…うん。」
琉唯は悠希の長い髪をどんどん短くしていく。
✤✤✤
「できた。どう?」
「…わぁ!」
鎖骨らへんまであった髪の毛は肩につかない程度まで短くなった。
目にかかっていた前髪も斜めでかっこよくなっている。
「ほら、悠希はそっちの方がいい。あと、ネガティブ思考禁止だよ。」
「う、うん。わかった。がんばるね。」
「よし、これでスクールアイドルできるね。がんばろう、悠希。」
「…えっ?」
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